週末は野山にいます

　《山概略》
　車山は長野県茅野市と諏訪市の境に位置する標高1925mの山。霧ヶ峰高原の一部である。山頂付近までビーナスラインが続き駐車場も多い。関東からの日帰り圏内なので多くの観光客が訪れる場所である。日本百名山では霧ヶ峰と選定されているが、その最高峰が車山である。深田久弥は霧ヶ峰を登る山ではなく遊び山だと書いている。

　《アプローチ編》
　横浜の自宅を朝5時過ぎに出発すれば10時には余裕で霧ヶ峰に到着するはずだった。橋本駅で車に仲間を乗せ、相模湖ICから中央高速に乗るまでは順調だった。しかしながら須玉ICあたりで工事渋滞が発生し1時間ほど時間をロスすることになる。その遅れが災いしたのか、車山の肩の広大な無料駐車場は想定外の満車だった。山へは行かれないかと焦るが、幸いなことに有料駐車場には空きがあった。料金は1000円と高額だが背に腹は代えられない。もう一台の仲間の車を待つが、なかなか現れない。橋本駅で同時に出発したはずである。1時間ほど遅れてようやく現れた。

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　《車山へ》
　当初の予定では八島湿原まで縦走し、バスで駐車場まで戻ってくる予定であったが、数少ないバスの時間に間に合わないので、車山周遊のコースに変更した。駐車場から少し上ると車山肩で、売店やトイレがある。そしてその奥には有名なころぼっくる小屋がある。そこから草原の道を進む。
　草原ではニッコウキスゲが満開で、道からは三脚を立てて多くのカメラマンが並んでいる。道にはロープというかひもが張られていて中には入れないようになっている。ニッコウキスゲは道から離れた位置に咲いているので、よほどの望遠でないとアップで撮ることはできない。なんだか登山の花ではなく、完全に観光地の花となっている。

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　この日の車山周辺はガスが多く、眺望は期待できない。ニッコウキスゲの群落帯を過ぎて、観光客も少なくなると、登山道脇にはハクサンフウロやイブキトラノオなど夏の花を見ることができる。時々ガスの切れ目から高原の様子や駐車場を見下ろすことができた。晴れたら気持ちのよい景色だろうが、ここへ来たのは初めてではない。前回来たのは2月だったので、晴れてはいたものの一面銀世界であった。
　駐車場からゆっくりと歩いて45分ほどで車山の山頂に到着する。標高1925mは今年登った最高峰だが、駐車場の標高がすでに1800mなので、登った高さは125mだ。山頂は広く、奥の方へ行くと気象レーダー観測所の建物が有り、その先には天空の社と呼ばれる車山神社がある。諏訪神社のように社の周りを四本の御柱が立っている。
　山頂の広いテラスに腰掛け昼食休憩をとる。テラスは展望台にもなっているようだが、真っ白で何も見えない。30分ほど休んで出発する。

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　山頂からは白樺湖方面へ進む。なぜか道は舗装されている。道なりに下ると、右手にはリフトが山頂方面に伸びていた。夏でも営業しているようだ。下の方には雲の切れ目に白樺湖が見えている。
　車山から下りると平らな高原となる。道は白樺湖方面と八島湿原方面に分かれるが、左手の八島湿原の方へ進む。車山乗越(1815m)を通過して、目の前に小さく盛り上がった蝶々深山には行かず、左手の小道に入る。

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　道は木道となり周辺は車山湿原となる。湿原と言ってももはや湿原ではなく、一面緑の草原である。いくつかの花が咲き、ヒョウモンチョウやジャノメチョウが舞っている。
　道は緩やかな登りとなり、スタート地点の車山肩に到着する。ころぼっくる小屋の売店を覗いてから駐車場に降りて今回のハイキング終了。出足で躓いたので、2時間ちょっとの行動時間だった。
　この日は上諏訪に宿泊予定である。下山後はビーナスラインを諏訪の方へ降りていった。途中、立石公園に立ち寄り、諏訪湖の眺望を楽しんだ。有名なアニメの風景のモデルとなったと言われる場所である。

《登山道の花》

○今夜の宿
ホテルルートイン上諏訪★★★★
	場所：長野県諏訪市湖岸通り4-9-25
	TEL:0266-53-0500
	料金：6,350円(GoToトラベル利用)
	大浴場：上諏訪天然温泉 「七釜混合」
	その他：朝食付き