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白石山−日本二百名山

白石山−日本二百名山

かつての秘境は一般ルート...

かつての秘境は一般ルート...

【東仙波からの眺望】

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山行情報
日程 2009年06月06日〜07日
山名(山域) 白石山(奥秩父)
入/下山地 三ノ瀬
メンバー 津田、Chifu、稲葉、福島
行動時間 1時間37分+11時間21分
歩行
 初日
 二日目
距離
登り
下り
歩数
5.5km
32.3km
813m
2,463m
-310m
-3,224m
9,086歩
41,371歩

コース(タイム)

橋本(11:00)=三ノ瀬(13:53)−(15:30)将監小屋(4:01)−(8:53)白石山(9:29)−(15:22)三ノ瀬=(16:17)のめこい湯(17:35)=(20:21)横浜

 《山概略》
 日本二百名山である白石山(しろいしやま)は甲州側の呼び名で、秩父側では和名倉山と呼ぶ。かつては将監峠から白石山を越えて二瀬に出る古道が栄えたようだが、その後廃れて道は藪に覆われた。奥秩父の秘境と呼ばれたこともある白石山だが、ここ数年で登山者が増え、最新の登山地図では一般ルートとして紹介されている。
 今回は山のメーリングリストの開設13周年の企画で和名倉山こと白石山へ行くことになった。周年オフミは年々参加者が減り、今回は4人での実施となった。

 《アプローチ編》
 初日の土曜日は将監小屋まで行けばいいので朝の出発は山に行くには遅めだった。11時に橋本駅でChifuさんをピックアップし、上野原経由で小菅村の峠道を越えて三ノ瀬へ向かった。
 三時間ほどかけて山あいの三ノ瀬に到着するのだが、帰りは奥多摩経由で圏央道を使ってみた。時間的にはあまり変わらなかった。


シャクナゲ荘駐車場 【シャクナゲ荘駐車場】

 三ノ瀬周辺は無料の駐車場がないので、民宿の駐車場に駐めることになる。一日500円。トイレは車道を少し下って左の方にある。

 《将監小屋へ》
 この日天気予報は雨のち曇りだったので、車で移動中は雨に降られたりもしたが、三ノ瀬に到着する頃には青空が見え快晴となった。雨具を着て登ることになるかと思っていただけに運が良かった。
 駐車場のおばさんに黒飴をもらって出発。車道を上っていくと右手に登山口の林道が分かれている。その林道は将監小屋まで続いていて車が一台通れる程度の幅がある。しかし、途中に車止めがあるので一般車は入れない。
 ムジナノ巣という水場を通過し、道路脇の花の写真を撮りながらのんびりと歩いた。
 将監小屋の手前で道は左右に分かれる。指導標が朽ちていて分かりにくいが、右手の林道をそのまま進む。左手に行くと将監峠へ行ってしまう。

将監小屋 【将監小屋】

 三ノ瀬から林道(一般車立入不可)を歩いて1時間半ほどの所。
 標高1800m、素泊まり4500円。水は小屋横の沢からパイプで引いている。営業:4/下旬〜11/下旬、電話:0553-34-1044


 将監小屋の横にあるテン場の草原では、仲間の2人がすでに到着してくつろいでいた。彼らに混じりしばらく草原に腰掛け休憩した。犬が二匹寄ってきて物欲しそうにしていた。
 この日将監小屋の予約は24人だそうで、ほぼキャンセルもなく来たようだ。小屋はこの人数でちょうど満員で、宿泊部屋はびっしりと布団が敷き詰められた。例年この時期は70人ほど来ると言うから、ひとつ布団で一人寝られるというのも幸運なことだ。

 《白石山へ》
 長丁場の山行に備えて朝はまだ暗い3時に起床する。空を見上げると星が輝いていて好天気が期待された。出発準備が整う頃には薄明もさしてきて、ヘッドライトを付けて歩き始めた。将監峠までは防火対の急坂が続いた。

リンノ峰から日の出 【リンノ峰から日の出】

 午前五時をまわり、日が差してくる。道はスズタケのトラバースだ。きれいに刈られているのか、よほど多くの人が訪れるのか、ヤブはなく立派な道だ。

 将監峠からは奥秩父の主稜線で西に進む。徐々に空は明るくなり、ヘッドライトが不要になる頃、山の神土と言う分岐がある。白石山方面の右手に入る。いよいよ白石山への稜線で、地図ではヤブがひどいと有る。しかし道は明瞭でヤブなどいっこうに現れない。どうも自分の地図は91年版で古かったようだ。今年度の地図ではルートは破線ではなく、実線となっていて一般ルートになっている。しかも、昨夜将監小屋に泊まった客は皆白石山を目指している。先行している我々を次々と追い抜いていった。この山は一般的な人気の山のようだ。
 ふと振り返ると、富士山の姿が見えている。まだ雪が多く残り真っ白である。富士山はこの先でも振り返るたびに見えていたが、下山で引き返す頃には雲が多くなり全く見えなかった。

西仙波のシャクナゲ 【西仙波のシャクナゲ】

 シャクナゲは五月下旬から六月上旬にかけてリンノ峰あたりから広範囲に見ることができる。日の長いこの時期がちょうどピークで、朝は露に濡れた花が、昼間は日を浴びて色鮮やかな花が楽しめる。

 仙波ノタルあたりから石楠花の花が見られるようになる。この時期に訪れるのは、石楠花を見るためでもある。薄いピンクや濃いピンクの石楠花がところどころで見られる。
 三角点のある東仙波(2003m)のピークで小休止する。東側には気持ちよさそうな東仙波尾根が延びていて、下りたくなる。しかし立入禁止の札があり、細いひもで仕切られている。よほど下る人でもいるのだろうか。

富士山パノラマ 【東仙波から振り返る】
 白石山に向かっている間はあまり景色が良くないが、振り返るとこれまで歩いてきた稜線や富士山を見ることができる。笹取山や唐松尾山、大菩薩嶺(富士のすぐ下)が見渡せる。
 稜線のアップダウンが続くが、登り返しはそれほど苦にはならない。ピークは巻いていることが多いようだ。八百平からは最後の登りとなり、左右の分岐が二度ほど現れるがいずれも右手に進む。最初の分岐の左は川又へ、次は二瀬に下る道となっている。
 樹相が変わり、密林の様相を呈してくる。尾根から外れ、踏み跡をたどって進む。将監小屋から出て我々を追い抜いた登山者が登頂を果たし、次々と降りてくるようになる。

白樺の林を抜ける
【白樺の林を抜ける】
   白石山(和名倉山)頂上
【白石山(和名倉山)頂上】

 白石山頂上(2036m)は、四方を樹林に覆われ眺望は全くない。稜線は眺めが良かったのとは対照的だ。密集した樹林の中でやたらと倒木が多いのが印象的だ。山頂には仁田小屋登山口と書かれた指導標があったが、とても入れるような道ではなかった。森林管理道ということだが、地図にも道はない。
 しばらく山頂で休んでいる内にも、次々と登山者が集まってくる。三ノ瀬の民宿に泊まって今朝登ってきたという若者も現れた。なぜこの山はこんなに人気があるのだろうか。

 《三ノ瀬まで一気に下山》
 山頂からはほとんどの登山者が来た道を戻るのだが、昨年も来たという版画家のパーティーは二瀬の方へ下っていった。そのコースもそれほど難しくはないようだ。山のコース取りで、来た道を戻るのはあまり気が進まないもので、向こう側に下るのは羨ましい。車がなければ当然そうしただろう。しかし、車がなければ三ノ瀬まで入ることができない。彼らはタクシーで9000円かけて三ノ瀬まで来たようだ。

新緑
【山は新緑で覆われている】
   岩場
【岩場】

 その来た道を戻る間も、次々と登山者は登ってくる。前回丹沢では若者の姿が目立ったが、この山は一貫して中高年ばかりである。やはり玄人好みの山なのだろう。
 下りは太陽の光も強くなり、新緑の色がより鮮やかになる。すでに富士山の姿は見えなくなっているが、足もとの花々を撮りながらゆっくり歩いた。
七ツ石尾根を下る 【七ツ石尾根を下る】

 牛王院平からの下りは初めは平坦だが、徐々に急坂となる。ズミやツツジの花がよく咲いている。  

 三ノ瀬の駐車場には15時過ぎに到着。予定より早めだったが、思いの外コースが明瞭でヤブもなかったためである。今回は非常にゆっくりのペースで歩いたが、三ノ瀬を朝6時前に出れば、十分明るい内に下れそうな感じだった。

 《温泉に入って帰宅》
 丹波山温泉「のめこい湯」は国道411号を走っていると右手にあるのですぐ分かる。駐車場から丹波川を歩いて渡らなければならないが、湯は源泉かけ流しの本物の温泉だ。湯から出て食堂で食事を取ろうとしたが16時で終了していて、そのまま解散、帰宅となった。

《登山道の花》
コンロンソウ マイズルソウ クリンソウ
 【コンロンソウ】
 【マイズルソウ】
 【クリンソウ】
アズマシャクナゲ コイワカガミ ミヤマカタバミ
 【アズマシャクナゲ】
 【コイワカガミ】
 【ミヤマカタバミ?】
アズマシャクナゲ ズミ ツツジ
 【アズマシャクナゲ】
 【ズミ】
 【ツツジ】

付近の山 飛竜山(2004.01.03
西御殿岩(2004.03.23


温泉情報
丹波山温泉「のめこい湯」★★★★
単純硫黄温泉、PH9.6、泉温43.3度、湧出量160g/分
入場:600円(3時間),休館日:木曜日
4月〜11月10:00〜19:00,12月〜3月10:00〜18:00
Camera:Canon IXY 910is

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