上海放浪2001


[まえがき] 上海放浪記 [コラム1] [コラム2]


 上海3日目。朝7時に起きたと思ったら、現地時間ではまだ6時だった。今回の旅行では時計の時差修正を行っていなかった。あまり時間を気にすることもないので、結局旅が終わるまでそのままにしておいた。
 まだ皆さんお休み中であるが、外はもうすっかり明るくなっていて寝ているのはもったいない。地下鉄に乗って上海駅に行ってみることにした。ホテルの外に一歩でるとそこはもう猛暑。淮海中路の通りまで1分で、その交差点の下に陝西南路駅がある。駅入口の階段には温度の電光掲示板があり、28度を示していた。
 地下鉄の乗り方については[コラム]を参照。上海の地下鉄はできたばかりなのか小綺麗である。土曜の朝であったがそれほど混んでおらず、ちょっと堅い座席に座ることができた。車内放送は次の停車駅を放送するだけで、日本のように余計な注意事項をくどくどと言わないのがいい。もちろん上海語ではなく標準語で話してくれる。
【上海駅】

 終点の地下鉄上海駅から地上にでると目の前に大きな上海駅がある。駅前の広場は多くの人でごった返している。それも小汚い身なりのものが多く、地方からの出稼ぎ人が帰るために集まってきていると言うことが容易に分かる。大きな荷物の横の地べたで座っている人が多く、その間で食べ物を売る人達もいる。得体の知れない焼き物や、ゆで卵のようなものを売っている。抵抗力のない日本人が食べたらきっとすぐに死んでしまうだろう。消火栓から漏れ出る水で子供を洗っているおばさんや土地の名前が書かれたプレートのようなもので人寄せしている(乗り合いバスだろうか)人もいる。


 上海駅から電車に乗って魯迅公園へ行こうかと思ったけれども、余りの人の多さに圧倒されてしまった。発券所らしきところも混んでいるし、自販機など無さそうなので、電車に乗るのはやめた方が良さそうだ。しばらく駅周辺を歩き回ってホテルに戻ることにした。
【交差点】

 地下鉄陝西南路駅のある交差点。後方のビルが今回泊まった花園飯店(Garden HOTEL SHANGHAI)。日本のオークラホテルである。


 ホテルにソン小姐が迎えに来た。今回はタクシーだ。シュイさん、ファンさんとともに玉仏寺へ向かった。
【玉仏寺】

 1882年に慧根によって創建された上海最大の禅宗寺院。高さ195cmの釈迦像の玉仏や金箔で輝く釈迦三尊像などが安置されている。日本のものとは少し感じが異なる。いずれも日本の仏の方が上品に感じるのは気のせいだろうか。
 中国は典型的な仏教の国ではあるが、上海においてはほとんどそれを感じさせない。しかしこの玉仏寺には熱心な教徒(?)が念仏を唱えたり、拝んだりしている人の姿を見ることができる。

 玉仏寺の中には売店もあり、いろいろなものが売っている。玉仏のミニチュアや翡翠の腕輪(?)等々。そして指や息を吹きかけて絵を描く露店のオジサンなど。シュイさんは扇子に指で名前を書いてもらっていた。
 玉仏寺の次は南京路でお買い物、伊勢丹に行きました。もちろん日本の伊勢丹です。1Fでは新築マンションの販売会が行われていた。数十階の高層マンションで、立地的にも日本なら数億円はするであろう物件である。それがいくらかと訪ねると日本円で1500万ほどだという。安い!。
 その販売会の横ではVCDやCDの売り場があり、物色しているうちに「重返喜馬拉雅山」というVCDを買ってしまった。これはNATIONAL GEOGRAPHICの作品で英語のタイトルは「RETURN TO EVEREST」。28元で500円弱くらい。これも安い。ちなみに中国ではVCDがとってもメジャーな映像媒体。海賊品も多く出回っている。もちろんここ伊勢丹ではそのようなまがい物は扱っていない。日本に持ち帰ったVCDは、パソコンやDVDプレーヤーで再生する事になる。
 一方、ファンさんは3万円くらいする革靴を買っていた。日本で買うと10万はするという。ブランドものでもずいぶん安くなるものだ。消費税もないし。シュイさんはお土産用と言って大量にお茶を買い込んでいた。実は帰りの空港で売っているお茶よりこの伊勢丹のお茶の方が安いのであった。店員さんが試飲させてくれたりしたので、我が中国語を試した。
 昼食は伊勢丹近くの中華料理屋。口の長いじょうろのような急須でお茶をつぐのが印象的だった。もちろんここでも青島ビールは欠かせない。
 食事を終え、皆と別れて単独行動にした。南京路の伊勢丹からホテルまでは南に向かって歩けばいいはずで、強い日差しの中歩いた。中国人はどこでも店を出すのが特徴的で、途中の歩道橋では道の大半を占拠して敷物の上に小物を売っていた。携帯電話の関連商品(ケースなど)を売っていたのはいかにも時勢を反映している。
 ホテルでシャワーを浴びて、汗が引いたところでみたび外出。地下鉄駅へ向かった。昼間の地下は多くの店が開いていて、冷房がキンキンに効いている書店に立ち寄った。ここでも日本語関係の語学書を探したがあまり品揃えがよろしくなく、すぐに退場。
 最初は少々手間取った地下鉄の乗り方も、2回目となると慣れたもので、すんなりと乗車完了。次なる目的地は上海博物館である。ここはちょっと楽しみ。2つ隣の駅である人民広場駅で下車し、博物館方面の出口を探す。しかし案内表示は見あたらず、適当な出口から地上にでる。地図は持っていたので、それを頼りに歩いていくと、人民公園の中に入り、その奥に目指す博物館の特異な姿が見えてきた。

【上海博物館】

 1996年にリニューアルオープンした比較的新しい博物館。人民広場の中にあり建物の外観はドーナツのようである。4階建ての館内はテーマ毎に分かれ、1階が中国古代青銅館と古代彫塑館、2階が中国古代陶磁館と暫得楼陶磁館、3階が絵画館と書法館、璽印館、4階が中国歴代銭幣館と玉器館と中国明清家具館と少数民族工芸館となっている。


 館内では外国人用に解説器の貸し出しを行っていた。しかし60元はちと高いなぁ。どうせ駆け足で見学しなければならないので、ここは日本語での解説無しに見学することにした。
【人民広場】

 近代的なビルが所狭しと建ち並ぶ上海の中で、ここ人民広場はかなり広い空間となっており緑の整備も行き届いている。


 地下鉄に乗って少し郊外の下町を散策することにした。まずは徐家匯駅で降りて、長い地下商店街を歩いて地上に出る。しかしここは下町とは言い難く、隣の衝山路駅へ移動。ここはまさに下町っぽい。建国西路から岳陽路を歩いた。
【西瓜が安い】

 上海の道ばたでは西瓜やももがよく売られている。この西瓜は小さな黒板に0.58元と書かれていた。一個10円か!と思ったら、どうやら量り売りの料金らしい(日本に帰ってから教えてもらった)。

Camera:CANON Power Shot S10

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