《山概略》
　船形山は宮城県と山形県の県境に位置する日本二百名山の山。船の形に見えるのは宮城県側であるため、山形県では御所山と呼ばれている。古くから信仰の山で、山頂には船形山御所神社があり、昭和42年まで女人禁制の山であった。

　《アプローチ編》
　前日は岩手県の五葉山を登っている。その日は仙台大和のビジネスホテルに泊まり、まったり朝食を取ったため、出発が遅くなった。登山口の大滝キャンプ場までは長いダート道で、車を四駆にしてそろそろと進んだ。キャンプ場手前だけなぜか舗装されていて、その細い道を進むと登山口があり、左下に駐車場がある。すでに車が２台駐まっていたが、ちょうど２人が下山したところだった。１人はブラジルの女性で、三百名山を目指していて、このあと一切経山へ行くそうだ。

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【大滝キャンプ場駐車場】

【緑に囲まれて】

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　《船形山へ》
　駐車場を出発し、少し登ったところの登山口から歩き始める。道標には山頂まで2.6kmと書かれている。長い悪路の林道をひたすら車で走ってきただけに、登山の距離はわずかだ。登山道はしばらく平地が続く。ブナなど緑に囲まれ、森の中の散歩道のようだ。
　ほとんど勾配のない森の中をしばらく歩くと、ロープのある登りが始まる。そこをひと登りすると眺望所と書かれた道標があるが、特に眺望は無い。晴れると何か見えるのかもしれない。この日は曇りで天気が回復する見込みは無さそうだ。鏡ヶ池との分岐を左に進み、森の道は続く。

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【眺望所に眺望はない】

【分岐を左】

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　ちょうど道に沿って石を敷き詰めたような所を登っていくと、展望台に出る。まわりは真っ白で眺望は無いが、ご来光岩という大きな岩の上に腰掛けて休憩する。山頂までは0.3kmと書かれているのであとわずかだ。
　ご来光岩からは稜線で、山頂に向かってほぼ直進である。小屋の屋根が見えてきて、山頂の道標も見えてくる。山頂部分だけ緑がなく、ガレ場となっている。船形山山頂は標高1500mで一等三角点がある。そして少し離れたところには祠がある。これが御所神社だろうか。

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【小屋が見えてくる】

【船形山山頂】

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　山頂には誰もおらず、ときおり濃いガスがかかり、今にも雨が降りそうな雰囲気だ。遠くは見えないが写真を撮るだけ取ってすぐ下山することにする。予定では蛇ヶ岳の方をまわって周遊するつもりだったが、天気が期待できないので、一番短い来た道を戻ることにする。

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【来た道を戻る】

【御来光岩】

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【倒れたブナはすぐ腐る】

【登山口の人命水】

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　下山も誰とも会うことはなく、快調に進む。一度通った道は意外と短く感じる。ほとんど休むことはなく大滝キャンプ場の登山口に到着する。駐車場には炊事場があり、水場の塩ビパイプから水が流れている。人命水と言うらしいが、飲んでみると冷たく美味しい。タオルを洗うと冷たさで手が痛くなるほどだ。掲示板に一句有り「異人に分けてやりたき岩清水」。なかなか言い得て妙である。
　帰りの林道は小栗山の方を走ってみる。来たときよりもダートが短くなると思ったが、むしろ長かったようだ。一番近い温泉と思われる、平沢のかっぱの湯へ向かった。

《船形山の花》

付近の山

泉ヶ岳(2012.04.30)

立ち寄り湯情報
色麻平沢温泉　かっぱの湯★★★ 場所：宮城県加美郡色麻町平沢新早坂２１（TEL:0229-65-4505） 泉質:単純温泉　低張性アルカリ性温泉 料金：500円・時間：9:00～21:00 休館：第2・4月曜日（祝日の場合は翌日休、GW・盆時期・年末年始は営業） 食堂：有、露天：無