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山梨県の山

要害山


MAP予定192*136
新雪のルート、地図無し道標無し人無し
日程 2005年01月02日(日)
山名 要害山
山域 山梨県
入/下山地 要害温泉
メンバー 単独行


横浜=真木川林道=要害温泉(10:57)−(11:25)要害山−(13:48)電波塔−(15:46)要害温泉=(16:40)ほったらかし温泉(17:10)=横浜

 2005年初登りは雁ヶ腹摺山へ行くことにした。500円札の絵柄になった富士山が見える場所である。
 大晦日に降った雪の影響で大月の国道20号線はところどころ凍結していた。真木川沿いの道を北上し、大峠まで車で入ると雁ヶ腹摺山のピークは楽に踏めるはずであった。積雪15cmほどの林道を登っていくと車止めが行く手を阻んでいた。冬季閉鎖と張り紙があった。カーナビを見ると峠まであと7kmほどだった。ここから歩くと2時間以上かかってしまう。この山をやめた。
 そんなこともあろうかと、一応バックアップの山は考えていた。それが要害山であった。国道20号に戻り、甲府方面へ車を走らせ、初詣で賑わう武田神社への道を太良峠方面へと進む。途中の要害温泉の駐車場に車を止めて、まずは一安心。
 この日は、天気が良く、風はなく、ハイキングには絶好の日和である。駐車場から仲川に架かる橋を渡ると、要害城の案内板がある。永正17年(1520)に武田信虎が築いた山城とある。「要害」というのは険しく敵の攻撃を防ぐのに便利なこと、の意味があるので、要害山という名は、城ができてからついたことになる。
 登山口の正面には、武家屋敷風で壁に武田の紋章をあしらった要害温泉の建物がある。温泉は「収斂性緑ばん線」というアルカリ性の単純線で、源泉は18度と低いものの、武田信玄が傷病兵の傷をいやしたと伝えられているそうだ。
 温泉に向かって左の方が山頂に続く道で、アスファルト道からすぐに山道へと変わる。積雪は5cmほどで、ハイキングシューズで歩いていても問題はない。足跡はあまり多くなく、元旦以来あまり人が登っていないことが分かる。沿道の木々には名札がかかっていて、このあたりには赤松が多いことが分かる。今歩いている登山道自体も城があった当時の道と一致しているようで、ときどき道の両脇に曲輪の跡地である平地や、門があったとされる石積み、堅堀跡などを見ることができる。
 15分ほど登ると不動曲輪の武田不動尊がある。江戸時代に建立されたという不動様は、眺めの良い町の方を向いている。何度目かの門跡を通り、高台に出るとそこが山頂だった。長方形の形で綺麗に平地となっていて、そこにはかつて城があったことが想像される。山頂の人工物と言えば、東郷平八郎書とある武田信玄公誕生の地の碑と、山梨百名山である要害山の木柱だけである。

【要害山頂上】

 山頂には東郷平八郎の揮毫による武田信玄生誕の地の碑がある。


 山頂には、犬を連れた夫婦が来ていた。この先にある、兜山のことを聞いたが全く分からないとのことであった。そのまま山頂の奥に進み、兜山へ向かうことにした。ちなみに地図は持ってきていない。しかし車の中で見た大まかな地図で、だいたいの場所は分かっていた。
 要害山の山頂から東のほうへ下っていくと、分かれ道があった。道標は朽ち倒れていた。兜山という文字はなかったが、右手に進むことにした。うっすら積もった雪に足跡はわずかにあったが、周りに人の気配は全くない。20分ほど歩くと分岐に出て道標があった。左に行くと、「深草観音0.3km15分・岩堂峠0.6km30分」とある。聞いたこと無い地名だが、方角的にその方へ行く。

【深草観音】

 観音堂の中に安置されていた本尊は現在、瑞岩寺に保管されている。本尊は高さ5.4cmと小さいもので、33年に一度開帳される秘仏となっている。


 深草観音は、高い岩壁を削って作られた観音堂。見上げる岩壁には大きな8m程の鉄バシゴがかかっており、それを登るとその観音堂があるのだろうか。危ないのでそのハシゴは登らなかった。
 深草観音から先はほとんど踏み跡がなかった。それでも沢沿いの登りで赤テープもところどころ見られたので、何となく道は分かる。峠に向かって登っていった。15分で岩堂峠に出た。ここで兜山の方向を指し示す道標を初めてお目にかかった。少なくともここまでの道は合っていたことになる。その方向へ真っ直ぐに下っていった。

【岩堂峠】

 「兜山・春日居」方面へ進んだ。


 峠から下ること7分でプレハブ小屋の横を通り、三叉路に突き当たる。ここにも朽ち倒れた道標があったが、なんと、兜山の方向が分からない。左手が太良峠で右手が春日居となっている。先ほど、岩堂峠で兜山・春日居方面へ下ったので。太良峠の方へ行くことにした。帰ってから地図を調べるとこれが間違いであった。本当は春日居の方へ行かなければならなかった。ともかく、太良峠方面へ登っていった。相変わらず人の気配はなく、ここで行き倒れたら、何日も発見されないようなところだ。
 しばらく登っていると、目の前のピークに電波塔施設があるのを発見した。ともかくそこへ行ってみることにした。このあたりの雪は深く20cmくらいある。スパッツを付けてい靴の中にはいくらか雪が入り込んでいて、ときどき指で掻き出した。裾も凍り付いている。ザックの中にスパッツはあるのだが、今更付ける気にはならなかった。
 電波塔に続く車道のようなところに出た。看板を見つけ、ハイキングマップであることを期待したが、表を見ると、「Docomoの自然の森」と言うようなことが書かれていた。相かわらず現在地が分からない。一体ここはどこなんだ。地名ぐらい書いて欲しい。雪に埋もれた車道を電波塔に向かって登っていく。
 電波塔周辺には地名を示すものはなかった。帰ってから様々な地図を見たのだがこの電波塔の存在を示すものは無かった。兜山はあきらめて来た道を戻ることにした。帰りは道が分かるので気は楽になり、スムーズに要害山まで戻ってきた。山頂には誰もいない。結局人と会ったのは、最初の犬連れの夫婦だけだった。
 要害温泉の駐車スペースまで戻り、一安心。温泉は、要害温泉ではなく、山梨市のほったらかし温泉へ向かった。ここに行くことは前日から決めていた。以前入ったこともあるが、今年新たに「あっちの湯」という新しい浴場ができているからだ。
 温泉は混んでいた。ここは観光バスが来るような有名なところで、駐車場はほぼ満車である。「あっちの湯」よりも元々ある「こっちの湯」の方が割と空いていたので、そちらに入った。湯船からの眺めは良く、日が沈んで富士山は赤く染まっていた。


【ほったらかし温泉からの眺望】

 富士山とその手前の外輪山、雪でまっ白の町並みが見える。  湯船からは手前の施設がないのでもっと綺麗に見える。暗くなると夜景が極めて綺麗。



温泉情報
ほったらかし温泉★★★★
場所:山梨市笛吹川フルーツ公園の中を通り抜けた上
(TEL:0553-23-2001)
泉質:アルカリ性単純温泉
料金:500円・時間10:00〜22:00・無休
屋外軽食コーナー、眺望最高
Camera:SONY DSC-U30

NOYAMA
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