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小太郎山-山梨百名山

小太郎山-山梨百名山

テン場は大混雑、山は閑散

テン場は大混雑、山は閑散

【小太郎尾根の先に甲斐駒が顔を出す】

小太郎尾根の先に甲斐駒が顔を出す

山行情報
日程 2014年09月13日(土)~14日(日)
山名(山域) 小太郎山(南アルプス北部
入/下山地 広河原
メンバー 単独行
行動時間 初日:2時間22分、二日目:7時間37分
歩行
日程
距離
登り
下り
歩数
初日 3.5km 837m 122m 5,800歩
二日目 10.9km 1,259m 1,972m 27,600歩
小太郎山マップ

コース(タイム)

広河原(11:23)-(13:45)御池(4:26)-(5:46)小太郎尾根取付-(6:48)小太郎山(7:08)-(8:26)小太郎尾根取付-(9:42)御池(10:09)-(12:03)広河原

 《山概略》
 小太郎山は南アルプスにある、白根山脈最北の山。北岳から北に延びる小太郎尾根の先にあるピークである。山梨百名山。
 広河原から北岳に向かう途中、右に伸びる尾根がある。その先にあるのが小太郎山である。多くの登山者が北岳へ向かう中で、100人に1人くらいが小太郎山へ足を伸ばす。メジャールートではないが、展望の良い尾根を歩くのは爽快である。

 《アプローチ編》
 登山口の広河原に入るためには、芦安からバスに乗らなければならない。シーズン中の芦安の駐車場やバス停は大混雑することが分かっている。普段なら前夜のうちに芦安へ入っているが、今回は初日の行程が楽なので横浜の自宅を朝5時に出発した。
 車が芦安に入ると交通整理が行われ、駐車場は満車なので、第二駐車場に駐めるように言われる。第二駐車場は本来の駐車場よりかなり手前で、川を挟んでバス停が見える。到着はちょうど8時だった。
 登山準備を終えると、バス停まで歩き、長い行列に並んだ。バスの時刻表は当てにならないので、待っていればそのうち来るだろう。1時間ほどバスを待つことになるが、その間待ちきれない人たちはタクシーを呼ぶなどして広河原へと向かった。おかげで行列が短くなり、最初に来たバスに乗ることができた(1,130円)。


山渓園前のバス停
【山渓園前のバス停】
   広河原を出発
【広河原を出発】

 《御池へ》
 自宅を出発してから6時間以上かかってようやく登山口の広河原へ到着した。少し腹ごしらえをしてから御池のテン場を目指して出発した。車止めのゲートを越えて、北沢峠に続く林道を少し歩くと左手に南アルプス北部案内図がある。目指す小太郎山までは登山道の線が引かれているので、それほどマイナーな道ではないようだ。しかし北岳より長い道のりになるのがわかる。
 案内図の裏手に野呂川を渡る吊り橋があるので、その方へ降りていく。広河原から北岳方面に向かう登山者は必ずこの吊り橋を渡ることになる。橋の先には広河原山荘とテン場があるが、多くのテントが張られているのが分かる。橋を渡って山荘の左側に大樺沢や御池方面の道が続いている。

樹林帯の登りが続く
【樹林帯の登りが続く】
   白峰御池小屋のテン場
【白峰御池小屋のテン場】

 樹林帯の登りが始まる。バス停は大混雑したが、山に入ると人影はまだらだ。しばらく歩くと大樺沢との分岐がある。指導標は白根御池まで約3時間と書かれているが、それを消して2.5時間と書き換えられている。実際自分は2時間足らずしかかからなかったので妥当な修正だろう。
 白根御池小屋までは終始樹林帯で展望は全くない。携帯電話も圏外が続くが、御池小屋まであと20分と言うところで受信可能地点がある。しかしドコモだけのようでソフトバンクは圏外のままだった。
 御池小屋には14時前に到着。予定より早く着いたが、テン場はすでに満員状態だった。受付(500円)を済ませ、テントサイトを歩き回って物色するが、なかなかよさげな場所は見つからず、通路脇の隅の方に何とか割り込んでテントを立てた。もちろんその後もテント客は続々とやってくるので、通路もテント場となり、自分のテントはそれらのテントに取り囲まれることになる。
 明日の朝は暗いうちから出発することになる。御池の近くにある登山口を確認してからテントに潜り込んだ。ちなみにテン場のトイレは小屋の側面にあり、洋式の水洗だった。

翌朝、4:30頃に出発
【翌朝、4:30頃に出発】
   稜線から日が出てくる
【稜線から日が出てくる】

 《小太郎山へ》
 テン場の朝は早い。午前1時過ぎくらいから周りでは人声がし、ごそごそと物音も聞こえる。いくら何でも早すぎる。この時期夜明けは5時過ぎである。なかなか寝付けず、4時前には出発準備を始め、4時半くらいにテントはそのままでサブザックを背負って出発した。
 御池から小太郎尾根の取り付きまでのコースタイムは3時間となっている。かなりの急登だがザックは軽いので気は楽だ。ヘッデンの明かりを頼りに樹林の中を登っていく。1時間ほど歩くと背後の鳳凰三山の方から日が出てきた。ちょうど樹林帯の切れ目で運良くご来光を拝めた感じだ。しばらく日の出を眺め、上へと歩いた。

砂礫地の朝焼け
【砂礫地の朝焼け】
   富士が見える
【富士が見える】

 大樺沢の二俣からの道と合流する頃には、朝日を浴びた山肌が赤く染まってくる。左手には富士山の頂上部分が顔を出し、登るにつれて大きく見えるようになる。歩き始めから2時間あまりで小太郎分岐点に到着した。
 小太郎分岐点からは、北に延びる尾根が一望でき、その先に小太郎尾根のピークが見えている。さらにその奥には甲斐駒ヶ岳が存在感を持ってそびえている。
 ほとんどの登山者は分岐から北岳を目指すのだが、異端児のように1人だけ小太郎尾根に向かった。小太郎山まではアップダウンが続くが総じて下りが中心だ。戻ってくる方が登り中心となる。

小太郎尾根が甲斐駒に向かって伸びる
【小太郎尾根が甲斐駒に向かって伸びる】
   ガレ場も通る
【ガレ場も通る】

 小太郎尾根の前半はガレ場が多く、下りは滑りやすいので慎重に歩く。道はわずからトレースがあるのでそれに従って進むが、森林限界を超えているので眺めが良く、道に迷うことは無さそうだ。小さいピークを登ったり降りたりするが、越えてから巻き道があることに気づいたりする。
 尾根の後半は樹林帯に入る。ハイマツやシャクナゲの樹林帯で、ここは道ができているので、その通りに進む。目の前にピークが見えてきて、それが山頂と思い期待して登り切ると、まだかなり先に山頂があることに気づいてがっかりする。山頂にはテントがひと張りあるのが見える。

目の前に小太郎山ピーク
【目の前に小太郎山ピーク】
   山頂に到着
【山頂に到着】

 樹林帯を抜けて、山頂手前は低いハイマツとなり眺めが良くなる。気持ちよく稜線を歩いて山頂直下の広場に出た。1人の男性がいて、昨夜テント泊をしたそうだ。少し話をし、数十メートル先の山頂の高台へ登った。
 小太郎山山頂(2725M)には三角点があり、周りの眺めは抜群である。天候にも恵まれ、青空の下、四方を名山に囲まれている。日本百名山だけでも、仙丈岳、甲斐駒山、八ヶ岳、鳳凰三山、富士山、北岳が間近に見えている。

目の前は甲斐駒
【アサヨ峰と甲斐駒】
   仙丈岳
【仙丈岳】

北岳に延びる小太郎尾根
【北岳に延びる小太郎尾根】
   鳳凰三山と御池
【鳳凰三山と御池 】

 小太郎山頂には20分ほど滞在し、風景を楽しんだ。帰りは来た道を戻る。先ほどの登山者が小太郎尾根を歩いているのが見え、それを追うような形となる。小太郎分岐点までは登り中心だが、行きと比べたら楽な感じだ。途中、2パーティーとすれ違った。最近は山梨百名山として登ってくる人もいるのだろうか。人だらけの北岳山頂よりは、小太郎山の方が静かで落ち着ける山なので、南アルプスでは穴場の山のひとつだろう。

御池小屋に戻りテント撤収
【御池小屋に戻りテント撤収】
   広河原に戻ってくる
【広河原に戻ってくる 】

 小太郎分岐点からは急坂の下りである。朝登ったときはまだ暗かったので、昼間の景色は朝とはひと味違う風景が楽しめる。今度は目の前が鳳凰三山で、やがて眼下には御池が見えてくる。まだ多くのテントが張られているのがわかる。
 御池小屋のテン場には思ったより早く戻ってくることができた。広河原のバスに間に合わないことは無さそうだ。快晴の天気で下山してしまうのはもったいない気もするが、テントを撤収して広河原へ下山した。途中これから山に入る多くの人とすれ違った。三連休中日の今日も登りのバスは混雑しているのだろう。
 広河原では、甲府駅行きのバスを30分ほど待ち、座って乗車することができた。バス乗車は1時間20分ほどで三溪園前のバス停で下車し、無事に駐車場へ戻ることができた。この日は甲府市内のルートインホテルに泊まり、明日の朝、横浜の自宅に帰ることになる。渋滞を避けるための策である。下山後の温泉もルートインホテルの大浴場となる。

《登山道の花》
ノコンギク アキノキリンソウ ウラシマツツジ
 【1.ノコンギク】
 【2.アキノキリンソウ】
 【3.ウラシマツツジ】
■■ ナナカマド ■■
 【4.■■】
 【5.ナナカマド】
 【6.■■】
■■ リンドウ イブキボウフウ
 【7.■■】
 【8.リンドウ】
 【9.イブキボウフウ】
ヤマハハコ キクイモ トリカブト
 【10.ヤマハハコ】
 【11.キクイモ】
 【12.トリカブト】
ハクサンフウロ ソバナ ■■
 【13.ハクサンフウロ】
 【14.ソバナ】
 【15.■■】

付近の山 北岳(1997.11.02)、仙丈岳(2011.07.17)、甲斐駒ヶ岳(2000.07.22)、アサヨ峰(2011.07.16)

Camera:CANON PowerShot S100、CANON EOS Kiss X6i

NOYAMA
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